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アーリーサマー

  • 執筆者の写真: shibata racing
    shibata racing
  • 3 日前
  • 読了時間: 3分

更新日:2 日前


梅雨の晴れ間は、貴重です。こういう時には、できるだけ有意義に過ごしたいものです。

山の木々も鬱蒼としてきて、いよいよ夏本番の気配がしてきますね。




2025年6月12日



最近モトグッチ、つまりはデロルトの新しいセッティングをトライ中なので、ワインディングと、標高差。仕上げは高速走行までも、そんなコースを思案しました。

足利でもいいし、秩父でも。大体条件は揃います。


先週、軽井沢に行ったのですが、木漏れ日ったって半端ない感じで、ああも日差しだと映像などはかなり厳しい感じでした。

フィルム時代はまだ良かったんですが、デジタルはラティチュードと呼ばれる、コントラストの範囲が狭くて、日差しが強いと、簡単に白飛びしたり、黒つぶれしたりします。

光のシャワーを映し止めるのは、ものすごく難しんです。


先週撮影した映像が、まさにそんな感じで。どうにももう一回行かなきゃ気が済まない気分でした。

そうか、ではモトグッチの様子見と、アーリーサマー軽井沢を再トライ。と行きましょう。


行きは18号ですから、車の後ろでダラダラ。かと思っていたら、意外なほど車がいません。

ほとんど蓋もされずに、上り基調の国道を、緩やかに流します。

この速度域は、モトグッチでは2500rpmくらいです。この域では、グッチはハーレーの鼓動感を主張します。

いわゆるズボラ走行は、キャブで言えばパイロットスクリューの開度が試されます。


いよいよ、碓氷峠です。

セミウエットで、ゴミが多いコンディションですが、スロットルのツキは非常に素直で、安定感があります。

先週、この道ではラリーのスペシャルステージが行われ、所々ブラックマークが残りますが、いわゆる本気のタイムアタックですから、不必要なドリフトは最小限に抑えられていたためか、いわゆる峠のドリフトマークみたいな、えげつない感じではありません。

こういう走りは、意外に観ていても面白くはないもので、ただ淡々と早いのです。


そんな感じで、軽井沢に着きましたが、今日は意外に人が少ないですね。

まさに祭りの前の静けさ。もうすぐ、ここへはおいそれと近寄れなくなってしまいますから、貴重な和みのひと時を楽しませていただきましょう。


先週あれほど鳴いていた春蝉の声も、少し緩くなりましたが、これが山に向けて高度をあげると、ものすごいです。

この春蝉っていうのは、山中がいっせいにこの声に包まれて、鳥のような、猿のような、一種の耳鳴りのような音が鳴り響きます。

夏の終わりのセミとは全く違う、悲鳴のような声で鳴くのが特徴です。


室生犀星が、毎年六月になると、軽井沢にやってくるのは、冬の枯れ葉を片づける仕事と、この春蝉の声を楽しむためだったようですから、今まさに室生犀星の別荘で、私も70年の時を経て、同じ体験をしているわけですね。


本日は、晴れているけど曇っていて、光が優しく撮影にはもってこいの天気でした。

先週作った映像と、ほぼ同じアングル、同じ場所。まるでデジャヴのような映像が撮れました。


この執念。私は本当に映画制作が好きなんですね。今週の映像が清書です。はぁ?



犀星が野間文学賞を受賞したのは、その最晩年で、その賞金を使って、この文学碑は、生前、彼の意志でこの場所に建てられた。碑文に刻まれた文章には、軽井沢への深い愛情のようなものが感じられる。土手を削って石垣を築き、その石仏の下には、はるか昔に亡くなった愛妻と、自らの遺骨。そして猫のカメチョロが葬られていたという。現在は遺骨は移されたが、その場に佇むと、「私念」のようなものが感じられる。犀星の魂は未だここに眠っているに違いないと思わせ、自らが凍れる水になることを願った。そんな想いが。
犀星が野間文学賞を受賞したのは、その最晩年で、その賞金を使って、この文学碑は、生前、彼の意志でこの場所に建てられた。碑文に刻まれた文章には、軽井沢への深い愛情のようなものが感じられる。土手を削って石垣を築き、その石仏の下には、はるか昔に亡くなった愛妻と、自らの遺骨。そして猫のカメチョロが葬られていたという。現在は遺骨は移されたが、その場に佇むと、「私念」のようなものが感じられる。犀星の魂は未だここに眠っているに違いないと思わせ、自らが凍れる水になることを願った。そんな想いが。

 
 

Appia . meccanica - Shibata ~ Racing

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