ぬか喜び

まだはじまってもいないうちからソワソワすることをぬか喜びといいますが、我々にとっては重要なガソリン価格が50年ぶりに値下げになる年の瀬です。なんだかワクワクするのは私だけでしょうか。

2025年11月4日

十円二十円でガタガタいうのも大人げないかもしれませんが、いよいよガソリン暫定税率の廃止が本決まりのようですね。

おかしな円安前には、リッター120円台だったのに、この二、三年のガソリン価格には、やはり何か解せない感じを否めなかったのですが、ここから円高基調になって、おまけに税率廃止で、リッター100円になるのか？おい化石燃料。

私は、EVはそもそもダメだと思っていて。例の出川さんの番組などは、おばさんと二時間もくっちゃべって、やっと走り始めたと思ったら、すぐに「やばいよやばいよ」じゃぁ。どこにも行けないでしょう。あの番組はある意味EV下げのキャンペーンです。

私個人は、この先もEVに舵を切るつもりは毛頭なくて、ガソリンが供給される限り、オートバイと付き合い。もし化石燃料が枯渇した時は、おとなしく歩きの人生に切り替えると心に決めています。EV嫌い、メガソーラー反対の姿勢ですから。

そもそも移動には金がかかるんです。これをタダで、あわよくば太陽の力でタダで。なんていう考えが。

おまけに一儲け。なんていうことを考えるから、そこにつけ込まれるんです。森林まで切り倒してね。

たった150年前まで、日本の移動は徒歩。そう決まっていたんですよ。飛脚は江戸から京都まで、三日間走ったんですから。

玄米のおにぎりだけでね。

じゃぁ排気ガスはいいのか？実は太陽光発電も、エコじゃないんです。それをいうなら徒歩か自転車でやり切りましょう。

それでもCO2で温暖化を語りたい方には、こちらの動画でも見ていただければ良いでしょう。

当店といたしましては、今後もガソリンと、私の息の根が続く限りは、皆様のオートバイは、私がサポートさせて頂きますので。

なくなるときは、一蓮托生、皆様も徒歩に切り替える覚悟をしてください。働いて働いてぇ....。どっかで聞いたなぁ。

ただトランプさんの「ドリルベイビードリル」の掛け声で、テキサスでは掘りまくってるようですから、まだ当分は大丈夫でしょう。

オートバイ人口は、年々減少の一途をたどり、そのうち誰もいなくなると思っていたら、なにやら最近若い人たちがこの分野に興味を持ってくださっているようで、これと人生を共にしてきた我々世代にとっても、これほど嬉しいことはありません。

何事も継承していく必要があり、若いこれからの世代に、技術やらバイクやらをどう受け渡してゆくのかは、これから私たちが背負う責任でしょう。

カブが発売されたのは1960年。その数年後に生まれ落ちた私たち世代は、この文化の申し子といえるでしょう。この文化が、消えるか残るかは、いわば私たち世代次第です。

先日も、トライアンフに乗る若者が店に来ました。二十歳で旧車です。

「なんで旧車なの」と聞くと、「かっこいいじゃないですか」と、至って真っ当な答えです。

「これから色々勉強したいんすよ」エライ。おじさんはね、こういう若者に出会いたかったよ。

ひとことでトライアンフとか言いますが。これがまた一筋縄ではいかないんですよ。

旧車に乗る上で最も大切なのはなんだと思いますか？それは、感覚を研ぎ澄ますことです。

いわばバイクの声を聞き、何を望むのかを想像する繊細さがないライダーには旧車は乗ることはできません。

そして、体力です。

キック一万発。というのは私が考える旧車と馴れ合う基本理念のようなものですが。

世の中には一万時間の法則というものがあります。例えば英語の習得でも、楽器の修練でも、何かを身につけるためには、最低一万時間かかりますよ、というものの例えです。

剣道の素振りもそうですが、キックもそれくらいこなすと、エンジンの声が聞こえてきます。

バイクは何を望むのか？俺はどんなアクションを起こす必要があるのか？

そして黙ってバイクを押す。なんでか？止まるからに決まってるじゃないですか。

機械ですからご機嫌なんてものはなくて、止めたのはライダーのスキル。いわば自分のせいです。そこで諦めず、止まらずに帰ってこれる自分になる頃、やっと旧車と呼吸を合わせることができるようになります。

現行の新車を買うのは、最も賢い選択ですが、週末の磨きの楽しみや、ライダーの整備的スキルアップを望むのであれば、こういう面倒な選択をするのも一興でしょう。

きたれ若者。

君が望むなら、私は何も惜しまずに、君がエキスパートになる手助けはするだろう。

カネはもらうけどね。