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スローメソッド

  • 執筆者の写真: shibata racing
    shibata racing
  • 2 日前
  • 読了時間: 4分

赤城山に初冠雪。今年一番の冷え込みがやってきて、いよいよ師走らしい感じになってまいりました。いまだにバイクに乗っているあなたに贈る。スローライフのご提案です。



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2025/12/04



冬はなにが良いたって、山が綺麗なのが良いですね。大気が澄んで、風が吹くと雲が出て、山が綺麗に見えます。

北斎が赤富士を描いたのは、多分冬だったんじゃぁないでしょうか。多分そうでしょう。

なんだ、今日もベスパを買えっていう話なのか?いやいやこのバイクもそうそう簡単には見つからない状況になってきているようで、皆さんもいよいよ気がついちゃったんでしょう。


こういう商売を永くやっていると、ライディングの相談というのもされるわけなのですが。

「できるだけ若いうちから始めなさい」といいますね。当然覚えも早いですし、もしもの時の怪我などにも、体が柔軟に対応します。

無論「転んで、転んでぇ〜」などという、流行語的なフレーズは私はいいません。

初めにいうのは「すぐには上手くならねえから、とにかく亀の歩みだよ」というフレーズです。

亀の歩みっていうのは、理想に近づくには時間がかかりますから、若いうちからっていうことが大切になってきます。


それともう一点、私が強調するのは、四季を通じて走りなさい。ということですね。

これには重要な意味があって、気温の低下と、路面温度、そしてタイヤのグリップ感の変化を「身をもって体感しろ」ということ。

冬っていうものがどれほどノーグリップなのかを知らないと大怪我します。

ライディングの楽しみなんていうのは、無事であってこそのオプションみたいなもので、転ばないことが最も上達の近道です。


本屋で立ち読みをしていたら、「公道で膝は擦れる。もっと開けられる」なんていうテーマでしか展開していなかった、ライダースクラブという雑誌に、ケニーロバーツのインタビューが掲載されていたので、珍しく立ち読みしました。

ケニーが一貫して説いているのは。

ひたすらスローなライディングを心がけろ。ということでした。全てを丁寧に、バイクの挙動を感じて、そして楽しめ....。


なんだよ、世界チャンピオンがぁ?と思った方は、まぁ素人ですね。

このケーニーっていう方が大昔から説いていたのは、スローインファーストアウトという走法でした。誰よりも直線で減速し、誰よりも大回りでコーナーに侵入し、そして誰よりもコケなかった人です。


当時のビデオでよくみられるのは、大外から入るケニーはしばしば侵入でインをつかれますが、なぜか立ち上がりスピードはケニー方がはるかに速く、その後の直線で抜きかえしている場面。

これとほぼ同じ走り方をしていたのが、フレディースペンサーで。彼も滅多に転びません。

そして、なぜかこの二人だけがリヤ加重で、フロントの負担が少ない走り。そのうえこの二人だけが飛び抜けて速かったのです。


色々な分野の達人が口を揃えていうことに、このスローメソッドがあります。

とにかくゆっくりと丁寧に練習することの大切さ。ケニーはいいます。「ゆっくり走ることが結果的に速くなるための近道なんだ」と。

この意味、わからない方はやってみてください。退屈で時間がかかりますから。

柳沢ユーゾーさんいわく「ランディングが本当にわかっているのは、ケニーとフレディと俺だけ」


いずれにしても一朝一夕に身につくもんじゃぁない。ということ。

これが、50代から大型とって、バイク始めるという方々に、私が「色々なことが遅すぎるよ」という意味です。

では、これから始めちゃぁダメなのか?やっても良いけど、「もう速く走ろうなんて思わない」と心に決めることですね。


年齢には年齢相応の楽しみ方っていうものがあるもんで、速く走ることばかりがバイクの楽しみ方では決してありませんから。

そこで私がいつも勧めるのは、「良い景色でも観に行こうよ」バイクで。というスローライフです。


 
 

Appia . meccanica - Shibata ~ Racing

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