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ギアに魂

  • 執筆者の写真: shibata racing
    shibata racing
  • 10月22日
  • 読了時間: 4分

更新日:10月24日


刀は武士の魂といわれたのは、江戸時代からです。それ以前は、純粋に道具として扱われ、戦の場に何本も携えて赴いたという武士たちも多く存在しました。ダメになったら交換して使用していました。道具はいつから魂に変わったのでしょうか。



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2025年10月22日



ブランド品をいくつも集めるコレクター。この多くは実際に使用しません。

なぜなら、価値が落ちてしまうからです。道具なのにも関わらず、使用すると価値が失われるようなものは、もはや道具ではありません。フェラーリなどは、新車から3年乗って、出すときは、価格が買った時より高いといいます。それか、お金持ちがコレに乗る理由は。


私の考えでは、道具というものは使用した瞬間に、もう投資対象ではなく、純粋な相棒になると考えますので、全く惜しむことなく、ガンガン使用します。それは例えビンテージであってもです。


江戸時代は、刀を使う時がありませんでしたから、コレを床の間に掛け、神聖な魂として扱いました。戦国時代は、誰でも持てましたが、江戸時代は武士以外は、帯刀することが許されず、特権意識に拍車をかけるためのアイテムでもあったようです。

長岡の河井継之助は、藩の財政立て直しのために、腰に挿してる二本差しを売りに出したらどうか?という提案をします。どうせ使いやしないんだから、という理由で。

この頃から、モノが、アイディンティティーを持ち始め、使いもしないですから、綺麗なままで、投資の対象にもなったというワケです。これが、現代では自動車やオートバイ。カメラや楽器など。あらゆるものに付加価値がつけられ、限定という名前で、より一層スペシャルな逸品となるのです。

ただ、コレらはアクセサリーではなくて、道具は使ってこそ、鈍い輝きを持ち、人の手が触れるところが黒光りして、その陰影が作り出す一種の狂気が、より魅力を増幅させるものなんですが。


私は商売ですから、何台もバイクがありますが、一般人なら、一台でもよかったでしょう。

所詮自分は一人ですから、何台も所有しても仕方ありません。あればあるだけ乗らなくなって、道具としての本分は果たせなくなります。その数だけ分散化して、関わりも気薄になってしまうのがちょっと悔しいです。

本来は趣味もひとつの方が濃密なのですが、性分ですから、なんでもやりたくなってしまうのが悪い癖です。


自転車の部品は、60年代までは、カンパニョーロというメーカーの製品一択でした。コレは世界最高水準という基準で考えた場合です。70年代からこの分野には、日本の釣具メーカーシマノが参入し。現在は、トッププロは言うに及ばず、アマチュアでもシマノ一択に近い状態です。このメーカーの製品は機能に優れていましたが、日本製の例に漏れず、デザイン性が野暮ったいのです。まぁコレはカンパニョーロに比べるとですが。プロは見た目は拘らず、間違いないものこそが最良と考えます。


現在は、電動の変速システムが主流となり、ディスクブレーキも大半の自転車が採用しています。こうなると、やはり日本製の安定感は抜群です。なにせ電動リールのパイオニアですからね。

シマノは道具としては素晴らしいのですが、イタリア製品の部品が放つ、艶かしさや、イカすロゴマークなどは、けして真似できるものではありません。やはり男性諸君は、綺麗なものには、機能美までをも見出し。所有欲がそそられるのでしょう。


この、クランクという道具は、すべてのパワーが推進力へと変換される装置です。アームの長さは、乗り手の体格や脚質。走りのプランによって、個人差があります。この長さ一つで、体の故障にもつながってしまう側面もありますから、自分用を見つける努力は怠ることはできません。なんでもいいやと考えると、走りの上達にも支障をきたします。


道具は使用してこそ真の魂が宿ると考えている私は、アイテムの美的価値がわからない野暮なのかもしれません。



さて、明日からは前橋で3年ぶりとなる競輪G1寛仁親王牌が開催されます。この2年は弥彦でしたから、私も当然グリーンドームに参戦します。初日の見どころは、最終レース理事長杯です。あの、ワッキーと新田選手がもがきあった、感動のレースからはや5年。本当に光陰矢のごとし。今年もワッキーの走りを目の当たりにしたい。9番車ですから、目の前にワッキーですよ。

もっとも、広いドームで、車券買わずに観戦しているのって、多分私ひとりなんですけど。

いやぁ本物はね間近でみると、自分も気合入るよ。



 
 

Appia . meccanica - Shibata ~ Racing

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