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既成概念

  • 執筆者の写真: shibata racing
    shibata racing
  • 11月21日
  • 読了時間: 4分

ことオートバイに関しては、乗ってみなければわからない。という側面があります。

旧車などに関しては、易々と手に入るわけではありませんが、購入したらまず最初に取り組むことについて幾つか述べましょう。



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2025年11月21日



なんか乗ってみたい。

とは、多くのユーザーさんが旧車にたいして、思っていることでしょう。もし、そう思うなら、自らの全力を傾けて、乗ってみた方がいいですね。その全力とは、気力、体力、経済力を総動員しろ。という意味です。後でいいだろう?いつまでもあると思うな旧車とカネ。ですよ。


私が薦めるのは新車ですが。それはあくまで初心者に向けたメッセージです。つまりは、何も考えずライディングに集中せよ。という意味です。

もうかなり集中した。結構オレはやった。と思った方は。可能な限り早いうちに旧車に移った方が良いでしょう。あくまで興味がある方は、ですが。


それはなぁんでか?なんでかフラメンコじゃないけれど。

本日車検場に行ったら、久しぶりにほぼ私と同い年の同業者さんと会いました。

「どうよ最近は?」と私が問うと「先月一ヶ月寝込んで仕事になりませんでしたよ」「どうしたん?」「神経痛で動けませんでした。すげえ強い薬飲まないと、夜も寝られなくって」「えっ幾つになったん?」「58です」とまあ。歳取るとこういうことがないとも限らない。ということですよ。


話が脱線しました。

それでまず旧車選びで大切なのは。今後の展開。

購入した後、発展性があるか?維持管理が可能か?そういう側面は無視できないと思います。


当店がモトグッチを触り始めたのは30年前。これはわりと初期の頃の話です。

10年放置のルマン2を東大の研究室の駐輪場まで取りに行きました。


ある日京都のアピアのオーナーから電話で。

「あのな、うちのお客さんが今、東京におんねんな。車検受けたいいうたから、ほなシバタくんにタノみぃってなってな。せやからアンタ東京までバイク取りに行ってな。ルマンツーやデェ」

という一方的な仕切りにより、この車両を赤坂にある東大の研究室まで取りに行ったのです。無論ボロっちぃサニトラでです。


オーナーは無頓着で髪ボサボサで、いかにも研究者という感じの方。

京都からの指令ですから、私が行っても何も疑わず、「駐輪場やけれど、お願いしますぅ」と淡々としています。

「多分結構かかると思うんですけど」「ああ、期間は別に急ぎません」「いや費用がです」「それもお任せします」と。何事にも無頓着。

それを群馬まで持ち帰って、「さあて」と取り掛かったのが私とモトグッチのファーストコンタクトでした。


当時は、部品のほとんどは福田モータースが仕切っていて、まぁ言い値でしたから、高かったですよ。ただ、驚いたことにほとんどの純正部品が揃ってしまい、少々驚きました。その時でも、新車から20年経過してましたから。


不動状態から、起こして車検をとって近所を乗り回すと。この、なんともブルっとしたフィーリングが癖になります。

いわゆる荒々しさなどはなくて、角が丸い印象でした。

これは、後々。あくまで出荷状態なのだとわかるんですが。おおよそ当時のモトグッチは、いわゆる出荷状態を離れないように修理が行われていた様子です。

それからなぜか当店にはグッチがいろいろやってくるようになります。そのわけは、ディーラー網が張り巡らせれていないことが要因です。

ドカティやハーレーのように、けしてモトグッチ屋というものが存在しないために、この車両のノウハウは、本当に一部に限られていたというのが実情でした。


もし皆様がモトグッチを幸運にも購入できたとしたら、初めに何をすべきでしょうか。

一番は充電発電。次にハーネスとスイッチのリファイン。そしてキャブセッティング。見た目はボロのままで構いません。

ほとんどのカプラーやスイッチは腐食していますから、これが異様に暗いヘッドライトの要因となり、車検はまず通りません。

ちなみに本日車検に行った上の写真のグッチは、アイドリングで、3万2千カンデラです。これ規定値のほぼ倍の数値です。

普通の65/55ワットのH4バルブでですよ。

まぁこの車両はやることは全て完膚なきまでにやってあるんですがね。倒立フォークと4ポッドキャリパーだけ見ても只事じゃないのはわかるでしょ。


この時代のドカティ、ビーエムモトグッチの要は、イニにも二にも、オルタネーター強化です。これをやらなければ、いつもいつでもバッテリー上がりとの戦いになります。

そういう車両は、そもそも火花が弱いですから、炸裂感はなく、燃焼も促進されないために、キャブのセッティングも追い込めません。


現在では、キャブレターのあらゆるパートの部品も簡単に手に入り、ハイスペックなオルタネーターなども購入でき。普通のメンテナンス部品も適正価格で購入できるようになりました。

なにか、狙い目の旧車はありませんか?と問われた時。「モトグッチなら明日東北行けっから」と私がよくいう場面に出くわしたお客さんも、一人や二人では無いはずです。


「なんかボロでやばそうだなぁ」それを既成概念というのです。結構ボロっちぃのは確かだけどね。


 
 

Appia . meccanica - Shibata ~ Racing

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