あさきゆめみし
- shibata racing

- 6月12日
- 読了時間: 5分

当店のシバタコーヒーも、だいぶお客さんに認知されてきて、多数の方々に喜んでいただいている毎日です。
暖簾をくぐる勇者の皆様、ありがとうございます。シバタのくどい蘊蓄にもめげないチャレンジャー達です。
いよいよ自家焙煎に舵を切った当店も、日々トライの結果、浅煎りと深煎りの二種類を置いている。
これには、従来からのコーヒーファンは圧倒的に、フルボディーのどっしりとした味わいを好み、世の中のトレンドとも言える浅煎りコーヒーには、馴染めないようなのだ。当然、豆も二種類で、特性が活きるようトライを重ねている。
「浅煎りってアメリカンのことか?」と思っている貴兄諸氏も多いことと思うので、ここで一度、きちんと整理しておきたいと思う。
この日本ではまだまだ浅煎りは認知されていなくて、一生飲まずに終える方々もいるかもしれない。
これは、焙煎における焼き上げのタイミングの話で、じっくり焼くと、甘みが増したり、深みが増したりするのに対して、あっさり焼き上げると、華やかな香りとか、フルーティーな酸味とかが目立ってくる。この辺りは複雑で、誰も読みたくないだろうから割愛する。
これは、どんな豆でも良いというわけではなくて、普通の豆は浅く煎ると、雑味が目立ちやすくなるので、深く焼いて、角を取るイメージだ。一方浅煎りに向く豆というのは、そもそも高品質で、欠点が少ないから、焼き込んで覆い尽くすようなことをする必要がない豆をいう。
これが結果的に、一杯の価格に添加されて、ものすごく高いコーヒーとして存在することになっている。
ただ、どんな豆でも、深い浅いの特徴はしっかり出るから、従来品がダメということは全くない。
しかしながら、この浅煎りというものはスーパーなどで市販されている例が少ないために、一般の方々には馴染みが薄いというわけだ。
これを購入しようと思うと、どうしても少量でそれなりの値段になってしまうので、よけい買えない。
そして売ってる店のハードルも三段跳びに高い。横柄では決してないから、行ってみれば良い店なのだが。
私も勉強のため、いろいろなお店を訪ねて、浅煎りを飲んでみたが、びっくりするほど美味しかった店は今のところない。
コーヒーには、煎り方と同時に、焙煎日からの日数や、誰が淹れるかなど、最終的な提供時のウエイトが占める割合というのがある。
ここにおけるエキスパートとビギナーの抽出のレベルというものにかなりのばらつきがあるのは確かで、浅煎りはより一層、この時点でのアプローチが味に影響されやすい。
そのわけは、浅煎りは豆自体がかたく仕上がるので、その挽きにおける粒度や、豆の量。そして湯温に影響される度合いが、深煎りよりシビアで、そのアプローチ次第で同じ豆でも大きな違いを生む。
そして、焙煎日からの日数は、豆本来の味の開き方にも影響を与えるから、この辺、各店舗により、違いを生み出すわけだ。
生豆は、現在日本に輸入されているものの多くは、いくつかの商社がコントロールしていて、いわゆるスペシャリティーというものは、仕入れ先がかなり絞られてくる。
しかし、生産地により、全く味の方向性は異なるから、産地や、焙煎、抽出によって各店舗の味は千差万別。これがこの飲み物の面白さだろう。
一度知ったらもう戻れない。というのはどんな分野においてもあるもので。
人間は贅沢にできていて、おいしさなどのランクを自分でつけている。
何か食したとき、「ああおいしい」と感じると、それより美味しくないものには、金を払いたくなくなったりする。
腹が減ればひとまずは食べても、感動はしない生き物だ。
酒やコーヒーにもそういった要素は強くあり。たとえば大吟醸の味を知ってしまうと、「まぁ今夜は吟醸酒で我慢しよう」などという傲慢な妥協をしたりする。
そして、なぜかコーヒー業界というものは二分していて、深煎りの店は浅煎りを認めていないし。浅煎りの店は深煎りを古臭い文化と見ているようなニュアンスを私は感じる。それほど両極に分かれていて、両者が上手に共存している店というのは知らない。
ではこれから、おうちコーヒーとして浅煎りを上手に飲むにはどうしたら良いだろう。
これはあくまで基本的なことと思っていただきたいが。
まずは少し高めの湯温で、一気に豆をふやかしてその後の抽出を促進させる準備をする。
その後時間と共に、えぐみや渋みが出てしまうから、抽出のトータル時間は3分以内を目安にしたい。
レシオと言われる、豆の量と投入するお湯の量にも注意しないと、本当に薄いただのアメリカンになってしまうのでご注意を。
こう見ると、ご家庭では従来の深煎り豆の方がはるかに簡単だということがわかるだろう。
ではそこまで頑張った浅煎りの味はというと?
メロンとか、ベリーとか、アップルだとか、シトラス。だとかの複雑な味と香りを発してくる。「コーヒーがぁ?」と皆様を思うだろうが、確かにそういう感じの飲み物になる。コーヒーとは、もともと赤い木の実なのだ。
そして、冷めてくるとまたより一層ジューシーさが顔を出し、また面白みが増したりするから、この浅煎りというものに情熱をかたむける若者達の気持ちもよくわかる。
まだ一度も体験したことがない皆様。ものは試し、一度くらいは浅煎りを飲んでみてください。もしかすると、もう戻れない体験になるかもよ。
バイク屋なのか珈琲屋なのか、いよいよわけがわからない感じの今日この頃です。
こちらはハリオが発売した、誰でも浅煎りコーヒーを上手に淹れることのできるサーバー。浸漬と、透過を上手に取り入れて浅煎り抽出のハードルを一気に下げた市販品。アルバイトにもその店の味が再現できるフレンチプレスとペーパーサバーの良いとこどり。しかも、どちらもきちんと機能する。うちはハリオの代理店じゃないけどね。
これを明るく教えてくれているのは、スイスで数店舗「MAME」というスペシャリティー珈琲店を経営している日本人の深堀さん。
このかたは、ただもんじゃぁありませんよ。こういう器具は本当に楽しいですよね。ちょっとレバーがプラで怪しいけど。
ここまできて、そんなわきゃぁあるかいと不信感バリバリ、でも興味も深々の方にはこちらをみていただいて、メロンメロンと言いながらコーヒーを飲む人たちの話を聞いてみてほしい。ほらね、飲んでみなきゃ気が済まなくなってきたでしょう。


