クロノグラフ
- shibata racing

- 7月25日
- 読了時間: 3分

ものごとは意識するところからがはじまりだ。
先日、30年使っていたタイメックスがいよいよ終了したようだ。
いくら時に左右されない人生を送っているとはいえ、さすがに時計はあった方が良い。
最近では、陸自に関しても、この時計というものが重要になってきている。何もかもが予約社会だから、車検の受付も、秒単位で始まる。
例えば二、三秒は早くても「時間外です」と表示されて弾かれてしまうから、この世界標準時。的な秒合わせは必須になってしまっている。
できるだけ狂わない時計が欲しいい。というのが近年の切なる私の気がかりでもあった。
この間、昔から憧れのオメガスピードマスターのことを書いたら、急に自分の前に、まるでそっくりな時計が降ったように現れた。
けやきに入っている時計屋さんで、価格は、な、なんと9800円だった。
「これがか?この造り込みでか?」と思えるほどに昨今の時計は安い。
安さを売りにしていたスウォッチなどでも三万円くらいするのにである。当然、中国製造であることなどはこのさい気にかけない。
このクロノグラフというものの、タキメーターに刻まれた数字というものは、スピードの中に生きるものにとっては聖域とも言えるだろう。
この数字を読み取って、平均時速を算出する。
これは極端な例だが、一キロメートルを、約30秒で走った場合。この時計で言うところ、秒針は真下を指す。
と言うところまではメカオンチの皆様にもお分かりになるだろう。
その時外周に刻まれた数値を読み取ると、120という数字と重なる。つまりは、この1キロは平均120キロで走行したことになる。
つまりは、1キロを60秒で走れば、文字盤を見ればすぐわかる。平均60キロということだ。
珈琲の焙煎は、時間との勝負だ。
こと浅煎りとなると、一ハゼから何秒であるのかを正確に把握しなくてはならない。ここを人呼んでBフェーズの入り口というのだが。ここから煎り止めまでの時間、Cフェーズは、わずか3秒違っても、珈琲の味を変えてしまう。
と、私の心の師匠ジェイクフー氏は力説する。
私は、早漏豆のハゼ音から、二、三粒まって、ストップウオッチを押す。すると文字盤センターに鎮座する秒針が動きはじめる。
ここはひと振れずつ動くから、わかりやすい。
この針を見ながら、窯の中のハゼのコンチェルト。両方に注意しながら、ここぞというタイミングで豆を出す。
この時間との戦いは、私の生活の中でも最も緊張する男のせめぎ合い、ともいえるだろう。
と、最近私の生活に根を下ろした、オメガスピードマスターみたいな腕時計。いったいいつまで動いているかが、昨今の楽しみでもある。
ただ一点。
この重すぎる時計は、つけていると体の軸が捩れるレベルで、左側に荷重がかかり、この時計のせいで最近左の腰が痛くなってきているという。
しみじみ、人はバランスの上に生かされてるんだなぁ、と時計で感じる今日この頃です。


