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バイクよん毒

  • 執筆者の写真: shibata racing
    shibata racing
  • 8月16日
  • 読了時間: 5分




最近よく聞くヨンドク抜きという言葉。コレを行うと体がリセットされるという。

しかし少し調べてみると、結構なにも食べられない。私はこういう極端なことは続かないと考える。

たとえば少し控えるとか、少し取り入れるとか、何事も振れ幅が少ないことが重要だと思う。

グルテンフリーとかって。やっても良いけど現代社会では無理があるヨォ。


たとえばダイエットなどに見られるリバウンドという言葉。

短時間に結果を出そうと躍起になったがための継続性のなさと、その揺り戻しのことを言うらしい。

10年かけて太った人は、10年かけて痩せるようにすれば良いと思うが、多くの人は「いよいよやばい」とギリギリで何事も気がつくから、急に焦る。


オートバイなどにおけるヨンドクなるものがあるだろうかと考えるに。そのほとんどは乗らないことが原因になる。

というなら、バイクにはほとんどイチドクしかないと言うことになるだろう。


まずオートバイを動かさないとなにが起きるか考えると。

オイルが回らないとカラカラになる。コレは再始動するのも弊害があるし、再始動直後油膜が切れている部分には負荷がかかる。

そして、ガソリンの劣化が起こる。こうなるとまずタンクが錆びたり、燃料経路が詰まったり、何より臭くなる。

タイヤなんかにはオゾンクラックというヒビが、サイドや溝奥などに現れる。ゴムは硬化するとスリップしやすくなるので注意が必要だ。

コレは結構見落とされるのだが、いわゆる通電を怠ると、接点が腐食する。そうなると健全に電気が流れなくなるので、接触不良や火花の低下などが起こる。当然ライトも暗くなる。

その要因は接点及びスイッチ。配線内部腐食にまで及ぶ。

旧車のトラブルは、この辺がキモで、配線を見直さなければいつまで経っても調子は出ない。

オーディオなどのガリという、ボリュームあたりでジリジリノイズが出るあの状態。何度か回しているとガリが消えたりもするが不快である。


まぁこんなところがバイクのヨンドクだろう。

ではこのバイクヨンドクを抜くにはどうすれば良いか。答えは簡単である。「乗れば良い、いつでも少しでも」

たったコレだけで、バイクは結構健康な状態が保たれる。


当然、人の能力も乗らなければ日々劣化する。

スポーツなどは一日休めば取り戻すのに一週間かかるなどと先輩から脅されて、休日も練習させられた。

スポーツ医学が発達した今では、強化と修復という理論が体系化され、無理をせずコンディションを上げるメニューなどが組まれるようになり、近年の日本選手を世界標準に近づける要因となった。

「水飲むとバテるぞ」と先輩や監督からどやされていた時代。あの頃にこのスポーツ理論が確立されていたら、私たち世代の結果も少しかわっていたかも知れない。


真面目な日本人の一つの悪い側面は。

毎朝、とか必ず一時間。とかで自分を縛るため、そのメニューがこなせないとイライラすることにある。何事もゼロか10みたいに考える。できないならたとえ2でも3でも良い。むしろ今日は休んでしまっても良い。くらいのスタンスがちょうど良い。

私たちはけしてプロではないのだから。プロだって最近は休む日を入れるよ。

以前。気が狂うほど自転車で追い込んでいた彼らが、今誰も乗っていないのは、とても日本人らしい。


では、具体的にどのようにバイクを維持すれば良いだろう。

まずは週一くらいはエンジンをかける。それは決してガレージで始動するだけではなく、嘘でも良いから10分くらいは乗る。できれば暖気後、一時間くらい乗れれば最高だろう。


コレを聞くと、夏は乗らないとか、冬はずっと乗らないから保険すら止めちゃう。なんていう行為はナンセンスだとわかるだろう。

雪でも降ってりゃぁそれもあるだろうが、コレをやれば間違いなくまた乗る時、お金がかかることになる。

それは保険を止める程度では済まない金額になるだろう。

もしこういうことなら思い切ってバイクをやめてしまった方が良い。必要とするオーナーに譲るとか。

そもそも、その人の生活にはバイクは必要ではなかったのだ。


では乗っていることのメリットはなんだろう。

まずはブレーキキャリパーが動き、ブレーキオイルも温まる。ホイールが回ると、ベアリングのグリスが緩くなり、カサカサの進行が遅らせられる。エンジン内も結露による乳化現象も抑えられるからオイルの劣化も遅くなる。

無論燃料経路もクリーンになり、車体のあらゆる部分に電気が通る。結果的にバッテリーも上がらず、ライフも伸びる。

一番ダメなのはいつも常時充電。繋ぎっぱなしの車両だ。コレを行うとわずか一年でバッテリーはカラカラになる。


副産物として、ライダーのライディング感覚の維持もできるのが、この週イチ一時間ライドといえるだろう。


ここでもし何台もあると、片っ端からコレを行わなきゃならないからものすごく負担になる。結果、バイクは少ければ少ないほどコンディション維持も簡単になるということはわかるだろう。


じゃぁ何台も持っている場合はどうするか、一台にする努力をして、簡単に買い足したりしないことだ。

当店には私が乗らなきゃいけないバイクがけっこうある。売ったけど戻ってきて、もう売れないからうちにあるわけだけれど、あるものはかわいそうなので動かさなきゃならないから大変になる。

もちろんその間にはお客さんのバイクを仕上げて試運転もするわけだから、私の場合365日バイクに乗っていることになる。

それでも日々ライディングテクニックは劣化してゆくのだから、乗らなけりゃぁ気がついた時にはもう取り戻せないレベルになっていることだろう。


ただここで救いがないこともない。

10年かけて身につけたテクニックが劣化するには10年かかるということだ。けして明日から乗れなくなるわけではない。

つまりは何事もほどほどに、極端に考えない。それがものごとの継続の秘訣になるだろう。




 
 

Appia . mecccanica - Shibata ~ Racing

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