千日間の片想い
- shibata racing

- 6 日前
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学生の方々にとっては、受験の真っ只中。それを見守る親御さんたちにとっても、この時期は気が休まる時がないでしょう。
当人達にとっては、実はなんかウキウキ、新しい扉を期待しながら、同時に言い残したことでモヤモヤもしているのです。

2026年2月2日
学生時代というものは、もう遥かかなた忘却の向こうに行っているはずなのですが、なぜかまだついさっきまで、そこにいたように感じているというのは偽らざる印象です。幾つになっても視線の先に見える景色は変わる事なく、まだ中学生の時のままです。鏡を見て、自分ではないはずの誰かがそこ写っていると、いきなり現実が迫ってくる。という感じです。
学生時代というのは、私にとっては限りなく切ない時間でしたね。
そもそも、片思いしかしていなかったことで、妄想だけは誇大に膨らみ、ありもしないストーリーを漫画に書いて過ごしました。
私にとって漫画を描くという行為が、夢と現実の間を行き来するための唯一のツールでした。その延長線上に、映画というものがあり、現在は、そこの主人公の中に自己を投影しながら今に至るわけです。
取り立てて優秀でもなく、スポーツに秀でるわけでもなく、容姿も目立たない私などは、そもそも誰かに憧れられたこと、ということがありません。それは未だかつて一度もです。
ただこういう境遇ですから、そのような浮いた話が浮上した時などは、異常なテンションでことに向かい、全身全霊を傾けた青春でした。振り返ればそれ以外なかったかも。
高校は入ってすぐに運動部で、いきなり五厘です。
つまりはボーズで。五厘ていうのはほとんどスキンヘッドみたいなもので。色気も何もありません。
運動にしか集中できない境遇でも人並みに、ラブには憧れますから始末が悪い。おまけに私が通った高校は、中途半端に女子もいる。そうなると、もう争奪戦なのですが。当校は男子より女子の学力が上でしたから、全く相手にされません。無論ボーズも相まって。
私も同学年生に三年間憧れて、結局まともな告白もできずに、卒業してしまった女子がひとりいました。
切ないながらもなぜか毎日は薔薇色で、ふいに見かけた時などは一日ハッピーです。
ただ高校生というのは、この状態。自分がハッピーであることを楽しんでいて、実際にカップルになろうなどとは本気で考えていない節があり。自己陶酔、自己完結に美学を見出していたような。特に男という生き物は独りよがりです。
高校を卒業して、一年くらい経った時。
偶然にもその彼女とバッタリ再会しました。一年の時は同じクラスだったこともあり、無難な会話でその場を切り抜けながらも、電話してもいいかと聞いてみます。答えは「いいよ」でした。
意を決して、電話をかけましたが、意外なことに私が恋心を3年にわたって抱いていた千日の事実は彼女にバレていて、それでも結局それ以上の発展をすることはありませんでした。お互いに、もう別の人生を歩き始めてしまっていたからです。
でも、その電話は、一千日分を取り戻すように会話が弾んだのを覚えています。もしかしたら、さっさと告白しておけばよかったのかも。すべては過ぎたことです。
学生の時は、世界がそこにしかなかったはずなのに、未来には膨大な分かれ道が待っているということには、その時はまるで想像すらできなかったんですよね....。
私が最重要に位置付けているカメラマンさんに濱田英明さんという方がいます。まさしく私が撮りたいと熱望しているような被写体を誰よりも美しく撮る方です。
携帯電話のなかった時代の私たちの千日。そしてそれがあっても結局何もいえない今の子達の千日。
実は気持ちの重さは全く違わないんじゃないかな。それはたとえ大人になっても。濱田さん、最高の夢を見せてくれてありがとう。
それにしてもさ、長沢樹さんウマすぎでしょう。期待値はナンバーワンです。


