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島探し

  • 執筆者の写真: shibata racing
    shibata racing
  • 8月2日
  • 読了時間: 4分





ある程度成功者となって、お金が自由になった時に、若い時からの夢を叶えたいと考えるのは、自然な欲求だろう。

がむしゃらに働いた、子供も育てた、さぁて余裕はできたが、結構歳もとってしまった。

オートバイの世界では、高齢になって免許を取った、こういう初心者のライダーというものが、最近散見される。


言い切れば、バイクライディングというものは特殊な技能であり、いわば鉄棒で大回転するような趣味だと思っても間違いではない。

そこに要求されるのは、まず気持ち。適性。そしてできる限り若い時からの繰り返し。という要素がある。

私などでも、まさしく汗と涙、ケガと弁当は自分持ち、のような経験を経て、今でもなんとか乗れているのだから。


「金でなんでも買えると思うんじゃないよ」

とは、私がこういうお客さんがたに最初に言い放つ言葉で、こう言われた場合、フタ通りに道が分かれる。

「ふざけたバイクや風情がえらそうに」と怒って、二度とうちには来なくなる。

「なにクソォ」と意地になって、何がなんでもモノにしようと躍起になる方々。

このフタ通り、両方ダメだと思う。スキルには時間と経験しか解決の糸口はない。


いくら金があっても、遅く芸者遊びを始めて、いきなり祇園のナンバーワンをモノにしよう。などというチャレンジに等しいものだ。

そこがわからない方々が多すぎる。

軽く手の内で転がされるのがオチだ。


怒鳴り込まれるのは覚悟で言えば、「そんな歳から大型バイクなんかに乗らなくても良い。」というのがわたしの意見だ。

そしてもし乗るなら、まずは今購入できる小さめな新車を買う。そして、できるだけ頻繁に乗ることだ。

こういうお客さんの多くは、バイクをひとまず買うと、別の何かを買う。まさしく手持ちの金で買える島を探しているだけのように感じる。なまじ金がある事がいけない。

電話の中ばかりでサーフィンしていて、自分の心に問いかける暇がないようだ。


「何が良いですか」とわたしに聴いてくる段階で、欲しいものが見えていない。

「コレが買いたいんですけど、わたしの手に負えますか?」というなら。まだ答えようもあるけれど。

初対面で「どんな女がわたしにあいますか?」のような問いには答えようもない。


と、こうも身もふたもないとやり切れないだろうから。本日はとっておきのわたしがお勧めする、初めてのオートバイの提案をしたい。

まずは、90年代から2000年までの中古車を見回す。

ここから、できれば外国車は除外する。あとは、ひとまず動きそうな、または現在動いている車両を購入する。10万円くらいで。

今動いているということは、買った日から乗れるということで、レストア的なことを必要とはせず、鉄も熱いうちに打てる。


外国車は、あまりにもコロコロとインポーターが変わるので、部品の所在が掴めないし、カジバのようにすでに地上に存在しないメーカーもある。


ではなぜ2000年かというと、この年式までは車検で排ガス検査がない。ということは、いわばフルパワーである。

多くの車両はキャブだから、いかようにも発展性がある。

国産車の多くは、この辺りだとまだ部品がギリギリ買えるし、その車両自体もかっこ悪いから人気がなくて、そして格安である。


上記のものでないなら、迷わず新車だ。

一番ダメなのは、インジェクションになった半端な中古車達だ。そのわけはここでは語る隙間もないから、一度置いておく。

これは鬼門だと思っておいて頂きたい。


キャブ車がなぜ良いかというと、例えばキャブ本体や、点火系統などが独立していて、社外のスペシャルパーツを放り込めば、まだ当時よりハイパフォーマンスになる可能性がある。

エンジンのチューニングに関しては、各メーカーとも後ろ向きで、ボアアップピストンやハイカムなどはほぼ皆無になってしまったが、何せお古だから、もうあまりハイパフォーマンスは望まずに、単純にバイクと人間との触れ合いを楽しむレベルで考えていただければ、全く不満は出ない。オーバーホール的なことも望まず、壊れたら捨てる覚悟で臨む。


例えば外装がボロでもいい。

みているのは側の人たちで、自分に見えるのはメーターとタンクの上部だけだということを認識できれば、余分な再メッキや、アクセサリーなどをつけることもないだろう。

バイクというものはできるだけシンプルに、ものはむしろ外していく事が望ましく。カウルなどもボロければ外してネイキッドにしてゆく方が良い。

間違ってもオールペイントのような見栄丸出しの行為は御法度である。そんな金があるならタイヤとかケチるな。


当店のお客さんにも、この辺の年式で上手に楽しむ方々というのが何人かいて、その人達は、純粋にバイクライディングを楽しんでいて、年々上達していったりするから、みている方も感心する。人は必ず伸び代を持っている。


島を探しているなら、何も買うな。明確な目的にまっしぐらにいくなら、私は全力で応援する。

 
 

Appia . mecccanica - Shibata ~ Racing

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