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恋文の流儀

  • 執筆者の写真: shibata racing
    shibata racing
  • 7月17日
  • 読了時間: 4分

最近みなさまは文字を書いていますか。なにやらメールすらも億劫のようで、LINEというアプリケーションが唯一の自己主張の場になっているようですね。今年の夏は、いっちょう暑中見舞いとか書いてみるのはいかがですか?



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2025/07/17



私は今でもときより、ハガキなどをもらうことが有ります。そもそも携帯もない、メールもしない私ですが、いよいよインターネットも基本つなげていません。

「これどうなんだ、えぇ?」と突っ込まれそうですが、仕事の注文とか、陸自の予約とか、YouTubeのアップロードとかの時以外、インターネットと、パソコンのスイッチを切る生活を、三ヶ月くらい続けています。


これが精神衛生上素晴らしくよくて、余分な情報は入ってこないし、新製品のニュースもわからない。そうなると無駄な物欲なども無くなりますから、本当にいいこと尽くめです。

インターネットを繋げたのが2005 年でしたから、今、失われた20年を取り返している最中です。


先日、美術学校の時の同窓会も無事終わり、私の肩の荷も降りたわけですが、その時、女子の同級生から、私の「字が汚くて読めなかったと」いう指摘があり、そういえば、この女子と、文通していたことがあったことを思い出しました。当然それは恋文ではなかったので、今でも普通に会えるのですがね。


そのすぐ後でしたが、物置の整理をしていたら、大量の封筒入りの手紙が、ごそっと出てきました。それは中学時代から、20代にかけての、同性、異性ごった返しの手紙でした。

30年ぶりに目にするその量は、軽く200通を超えています。


無論、私もそれだけ手紙を相手に書いてた訳ですから、当然その中には、恋文のやり取りも大量にありました。

自分の書いた手紙は、もう読めませんが、きたのを読むと、だいたいなにを私が書いていたかわかります。

随分と砕け散ったんだな。

それが一体どれほどこの世に残っているかはわかりませんが、自分でも恥ずかしいですね。「それが青春だ」と森田健作に言われるまでもなく。当時の意思の疎通というものは、手紙で行うのが、ワールドスタンダードでした。


手紙のいいところは、相手の人間性が文字になって残っているところで、字を見ていると、あぁそういうヒトだったよな。と姿や声まで思い出します。

古くは、中学生の時の文通まであって、流石に手紙を捨てないって言っても、残りすぎだよなと思います。


まあ、私の目の黒いうちはこうしたあらゆる手紙、葉書は捨てないのですが。少なくとも、その時、私に向け、ペンでその時間をくれて、切手を貼ってくれたものは、重みが違いますね。全ての方にありがとうですよ。


これだけの手紙のやりとりをした私は、もはや恋文エキスパートといっても過言ではないでしょうから、ここはひとつ、これから恋を成就したいと考える、若者及び、寂しい同級生たちに私から、アドバイスをいたしましょう。


まずは、手紙では核心を避ける。これは誤解を生む可能性大ですから、できるだけ表面的なギャグとか挨拶程度に終始し、無害でありそうな人間を装う。

次に、お太鼓持ちにならない程度に、時々相手を褒め。「この人と話すと楽しそう」と錯覚させる。


なを、誉めるときは、本当に良いところを見つけて、本気で褒めないと、より軽薄に思われて逆効果。例えば目が小さい子に、「君の瞳はダイアモンド」というのは嫌味っぽくなる。

真剣に探せばもっとあり、そこをチャームポイントであると本人が密かに思っている場合。その後の展開は良くなる可能性あり。

あくまでも、大事なことはあった時のためにとっておき、会う前から玉砕するような勇み足は踏まないようにする。


現在でも、メールやラインで失敗する男女関係も多々あるようですから、手紙も、あくまで後で残った時のことを考えて、親兄弟に回し読まれても平気なレベルのことを書く。

これは、散々確信をついて、二度と口も聞いてもらえなくなったことが二度や三度ではない私だからこそできる貴重なアドバイスですね。


近所の独身の同級生が、「よう、どうするよプランB」と私に問います。これは先日、長年引きずったプランAが粉々に砕けた彼が、早速次の一手を私に相談しているわけですが。

還暦過ぎての恋愛事情は、相手にとっても老人介護の可能性も視野に入れなきゃなりませんから、そう簡単ではありません。


ある女子の同級生に言わせると「なにを今更めんどくさい。そんなの財産目当てでしかないじゃん」と一蹴されてしまいます。それは財産がある人の場合で、たとえ年金すらあやしくとも、これがね、男ってのは本当に一人だと寂しいらしく。なんとかなってほしいと思うのは、友人としての本音です。


やはりここは昭和のスタンダード。恋文でも書いてみるのが良いでしょう。キモいこと書かなきゃ相手も決して嫌じゃないと思うんですけどね。同世代だからね。


なんでもLINEとかじゃ、なにも気持ちは伝わらないと思うけど。

と、LINEをしたことがない私がいう。



人生の移り変わり、歩んできた道のり、そんないくつもの花筏。あなたの人生に乾杯。

 
 

Appia . meccanica - Shibata ~ Racing

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