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曖昧な終着点

  • 執筆者の写真: shibata racing
    shibata racing
  • 1月17日
  • 読了時間: 4分

更新日:1月18日


時々、オートバイで何をしたら良いのかわからないという方々と話をすることがあります。そうなると何も提案できないのが本当で、不毛な時間が過ぎていきますが、目的はお喋り、それなのかもしれません。現代社会でバイクほど余分な持ち物もないでしょう。





2026年1月17日



どうも答えは出ているようなのですが、何か確信を持ちたくて、当店を訪ねる方が時々居らっしゃいます。

話は堂々巡りで最後は、どうやら納得したような顔で帰っていきますが。聞きたいことの概略は私には見えていて、自分の答え合わせを誰かとしたいようなのです。

おおかたこのような方は、バイクに乗る目的というものが不明瞭で、一体これで何をしたら良いのか全く見出すことができないようです。


私は割と親切ですから、こういう時いろいろご提案をしますが、やったことがない方にはそれは魅力的には映らないでしょうから、私も雲を掴むような提案です。

バイク屋というのは、いったいどこまで使用者の人生に踏み込むべきなのか?長年私の探ってきた一線です。


例えば、膝を剃りたいんすよ。

とかいう場合。もっともコレは簡単で、では何をすべきか。バイクは何をチョイスするか。どういう練習をするか。終着点に向かって説明できるのですが。そうでなければ、必要な装備やタイヤ銘柄。グッズなどすら私にはご提案することもできません。


いつも私がお客さんに勧めるのは、「ツーリングしなさい。」ということ。

飛ばすでもなく。とにかく走るのです。走らないとその先のことは思いつかないという意味です。

それは例えば毎日の通勤でも良いのです。必ず何かしらの発見はあり、バイクが好きになるか嫌いになるかするでしょう。


雨に濡れて、ガタガタ震えて、心細くて逃げ場がない。ダンプに幅寄せされて間一髪。下手すりゃぁ病院送り。

究極これがバイクでなくちゃできない事なのでは?

以前インタビューで平忠彦さんが似たようなことをおっしゃっていて「スリルがあるからオートバイは楽しい。」確かに核心ついてます。

つまりは安全に多少守られながらも少し怖い思いをする。平さんもレーサー引退後は、猛烈にツーリングを行っている方です。

現代社会におけるバーチャルな冒険こそがバイクの使用目的である。という答えを私もお客さんに提示しています。


ということは。

サミィとかアチいとかいうのなら、エアコンのあるところから動かなきゃぁいいわけですから。誰も頼んじゃいないよ。

このポイントが、私が一年中乗ってくれ。といつでもすっぱく言う理由です。


良い景色を見る、グルメをする。仲間とおしゃべりをする。コレが最終目的なら本来バイクに乗る必要などないのです。ファミリーカーの方がはるかに適切なギアでしょう。交通費も折半できるし。

そのことに気がついて、多くのビギナーさんがわずかな期間でバイクを降りてしまいます。当然ですよね。

ということは、もしバイク人生に踏み込んでしまった皆様が最初に自分自身に聞くことは、ただひとつ。

「自分はどこへ向かっているのか?」そのビジョンをうっすらと朧げでも良いからもつことなのです。

そうすれば適当にバイク選びをすることもないでしょうし。まるで難民のように乗り換えることもないでしょう。


「バイクは何が良いんだい?」と突然やってくる方が一番困ります。そもそも私にはあなたの目的がわかりませんから。

好きこのんでわざわざ購入する必要の全くないもの。それがバイクです。でも買う。その目的を最初に決めてみてください。

せめて他人に聞く前に。


先日、若い頃からいつも大事故を起こして、入院している同級生というものがうちに来て、やはり懲りずにいまだバイクは持っているのにもかかわらず、ロクに乗っちゃぁいません。

アチいとかさみいとか、暗くなると目が見えねぇとか、うるせえ奴です。そのうえいっさいうちには仕事を出さないときた。

「何のために持ってるの」と思わず聞きそうでしたが。そこはグッと堪えて。

「まぁキヨつけなよ、身体中の筋肉は既に少しも残っちゃぁいねぇんだからな」と、引導は渡しておきましたが。優しさからですよ。


たとえばメーカーはどこに向かってバイクを提案しているのか?そのユーザーは果たしてバイクムーブメントの将来の担い手になれる可能性があるのか?そして作り手自体がバイクを愛しているのか?機会があるなら聞いてみたい問いですね。

現状では目的がなくてもとりあえず持っているもののひとつがバイクというモノの正体。実はソレなのかもしれません。

送り出す側の気持ちが曖昧だからですよ。


2026年もバイクシーンの先頭を突き進むのは、やはりこの分野。この勢いはとまらない。

しかしいったいなんなんだ?このムンムンな姉ちゃんは、さすがはイタ〜リヤ!楽しそうだからたまらない。


 
 

Appia . mecccanica - Shibata ~ Racing

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