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速くなりたい

  • 執筆者の写真: shibata racing
    shibata racing
  • 1月24日
  • 読了時間: 7分

更新日:1月27日


オートバイを乗り始める時、皆様がイメージする自分の姿は、風のように華麗にコーナーを駆け抜け、仲間よりも速く走れるようになること。なんて野望を持った方々も決して少なくはないのでは?





2026年1月24日



あえて口に出さないようなのですが、かなりの方々が、バイクで速くなりたいと考えているフシがあります。私くらいになると、そんな皆様の心の奥の願望が見えてしまいます。

結論からいえば、公道は6m60キロの法則でできていますから、速く走る必要などはありません。ただ、この綺麗事。誰の耳にも届かないでしょうから。私が長年見てきた、本当に速い人達のことを少しだけ語りましょう。必要なとこだけ参考にしてみてください。


いわゆるレースの世界の世界チャンピオンクラスになりますと、そりゃもう異次元なのかと思いきや。この方々に共通している特徴というものがあります。

まずは、みなさんウルトラスムーズである。ということです。急激な減速や、激しい挙動。などはほぼなくて、なんだかあっさり美しい感じです。


私がバイクの世界に本格的に踏み出そうと決めたのは、83年の鈴鹿の日本GPでフレディースペンサーを見た時なのですが、彼の特徴は、寝かし込みと、立ち上がりがスムーズであったこと。バンクさせてからの寝かし込みの角度が一定。そして、誰よりも直線的に立ち上がっていましたね。

続いて、見たのは筑波でのジョンサーティーズ。とにかく動きが少なく、バイクと一体化して、やはり無駄が少ない。


そして極め付けは茂木で見たシャンボーンです。

ものすごいことをしているんですが、全ての動きがスローモーションのよう。見ていて全く不安がない。


そして、コースで先導してもらったモータードの世界チャンピオン、エディーシールですが。

一言で迷いがない。寝かすと決めたらモタモタしていなくて、スパッと寝かして、やはりラインや挙動が乱れない。

私は全てのセクションで迷いがあるので、結果的にズルズル遅れていくことに。

こういう、チャンピオンクラスの方々に共通しているのは、見ていて安心。という部分です。


シャンボーンが話していたことに、ヒントがあると思います。

とにかく、ゆっくりとしたスピードから始めること。そこからどんどんスピードが上がると、バイクは勝手に滑っていく。

つまり、まず滑らせようとか、ドリフトしようとは考えていなということ。要するにそれは結果なのです。

エディーシールも似たようなことを言っていて、「ドリフトのことは忘れてくれ、今の君たちのスピードでは無意味だ」


コレはどういうことかといえば、バイクの挙動は、スピードと、遠心力と求心力によって決まる。それは公道では不可能な領域である。なぜならグリップさせるだけの荷重がかからない。ということです。

荷重がかかっていれば砂に覆われた路面でフルバンクしてもバイクはかなりの速度までスリップしません。


では、私たちはコレからもハエが止まるようなのそっとした、上限60km/hの走りのままで良いのか?

公道の速度で実践できることは何もないのか?

あります。

それは、全てのアクションを繋げる努力をするということ、ブレーキからアクセルオフ、体重移動からアクセルオンまでを、滑らかに繋ぐ努力をすることです。バイクをできるだけ暴れさせないように扱うのです。結果的に決まった時は嬉しいし、励みにもなる。

それはいかなるレベルのライダーでも共通の楽しさでしょう。


やはり世界チャンピオンで、エディーローソンという方がいます。私はこの人の走りを二回見ています。

最初は83年の菅生サーキット。この時はGP一年目ということもあり、かなりアグレッシブで、激しいイメージがありました。

その後ローソンは何度か500ccのチャンピオンになり、93年に鈴鹿の8耐にampmというコンビニのスポンサーチームから出場しました。

私はその時、4耐のメカニックとして、鈴鹿に滞在していましたので、ローソンの練習走行をかなり間近で、しかも色々なコーナーから観察しました。

ちっとも速く見えない。だけどトップタイムでした。

ブレーキでも突っ込まないし、立ち上がりでも滑ったりもしない。見ていてもエキサイティングじゃない。ように見える。


ミックドゥーハンも来ていたのですが、彼はひたすらバイクが暴れてましたね。ヒヤリとするほど。

その時たまたま、ローソンとトイレで隣同士になって、互いに目を合わせたのですが。なんかおとなしそうな、やはりあのようなスムーズな走りをしそうなジェントルマンでした。

私は、この時のローソンの走りが、自分にとっての目指すべき究極の姿なのではないかと思ったことを覚えています。


では、結局サーキット走行を経験しないと速くはなれないのか?ツナギを買ってトランポ買って、練習か?

いや、コレね。無駄だとはいいませんよ。私は30年間サーキットを走りましたが、そこでの上達よりベスパで3ヶ月走った方がはるかに上手くなりましたね。バイクが粗末だとそれだけライダーへの要求が高まるからでしょう。

サーキットへ行くくらいなら、黙ってベスパ買って走りまくりですよ。コレはあくまでも私の経験ですけど。





ではこの辺で、なぜベスパに乗ることがテクニックの向上につながるのか、ローソンのライディングメソッドと照らし合わせながら、紐解いてみましょう。

この本に書かれているローソンのライディングを総評すると、至ってシンプルに丁寧だということ。そして、いつでも同じような再現性の高いライディングであることが、結果的に速さにつながっているということです。

なかにあるテストライダー河崎さんの証言がなかなか興味深い。

河崎さんは、現代の問題として倒立フォークのタメのなさを指摘します。そしてレーサーにとって最も重要な要素として、ハンドリングの重さを挙げます。

コレって、コンペティションでは逆じゃないかと思うでしょう。しかし、コントロール性を上げるには、タメとシナリは不可欠だと強調します。


では、ベスパはというと。

タメとシナリしかありません。全てのセクションがアソビだらけ。ということは、予測しながら前倒しの操作が求められる一方、リカバリーにも幅があるバイクという事です。脳みそをフル回転しながら挙動を予測するわけです。無論そこには経験に裏打ちされた極め打ちのようなアクションが不可欠です。

なれない方をこれに乗せると、効かないブレーキと、フルダイブするフロントサスに驚きますが、それら全てを小さく動かす工夫が必要なのです。ようするにブレーキをかけないでいかにコーナーにアプローチし、スムーズに立ち上がり加速を稼ぐか?ほとんど曲芸です。


なぜならこのバイクは車体の調整幅は皆無であり、キャブですらほとんど調整できないからです。結果的に求められるのは、オートバイの声を聴き、。ビジョンを描きながら命令を送るライダー自身のポテンシャルが最大限に問われます。これを3ヶ月行うと、あらゆるオートバイが夢の乗り物であるということに気がつくのです。それはライダーの意思通りに勝手に動いてくれるという意味での。

ここまで煽っておいて、当店ではベスパを売っていないというのが、目的が知れなくて良いですね。真の情報とはそういうものです。

ですから。どこかでベスパが寝ているなら、迷わずもらってくる必要がありますね。多分くれます。



このビデオはかなり貴重です。ローソンの走りの秘密を各方面の関係者が分析し証言しているという。そこにはなんとカジバの前川社長のありし日のお姿が。ビジネスですから、時には厳しい面もありましたが、そこを離れた時の前川さんは本当に優しい方でしたよ。

「いつかモータードイベントでキャンプしたいよな、その時は前夜祭もやって」と楽しそうに語っていた姿は昨日のことのようです。

 
 

Appia . mecccanica - Shibata ~ Racing

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