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姫街道に竜胆がゆれた
群馬はその昔、上州と呼ばれた。 下仁田街道は中山道の脇往還として古くから賑わった。 小幡はかつての面影を色濃く残し、一ノ宮として名高い貫前神社は、今も富岡の繁栄をみとどる。 本宿からのびる和美峠は、緩やかに昇りながら高度を上げ、追分へと抜けている。長野道開通以前は、夏の軽井沢への裏ルートとして利用され、タイトなワインディングは、今でもバイクにとっては魅力的で、心地よい清涼感とともに南軽井沢へとはこんでくれる。 江戸時代、この峠は信州からの物資を江戸に届けるため、また善光寺への参拝客などで賑わいを見せた。関所の寛大さと、峠の緩さから多くの女旅を助け、別名「上州姫街道」とも呼ばれた。 まだあれから百五十年。街道の至る所にあの頃の闇は残る。 苔むした庚申塔のさきに新緑の蔭が、時の流れをかたるように揺れておよいだ….。 ずいぶん昔のことになる。アウトライダーという雑誌で、1年間あるコーナーを担当した。 それはグルメやツーリングを読者に紹介するコラムで。内容は自由だと言われた。 私はデカ盛りや、ソフトクリームの名所などを紹介しても仕方ないと思ったので、自分

shibata racing
10月10日読了時間: 7分


天気晴朗、師走のならい
毎年12月の声を聞くと、訪れたくなる場所があります、そこは秩父の東の山。 えっ、この間も行ったろうって?まぁあれは予行演習の様子見ですよ。この時期には何度でも行きますよ。 長瀞の東側の山は、みかんの北限の生産地として有名です。ここは風の布と書いて、風布という場所です。 北条氏の関東遠征の折に、小田原からみかんの苗木を持ち込んだのがその始まりと言いますから、もう500年です。この長い年月この斜面の一面がみかん畑になりました。 ここのみかんの特徴は、ひとことで「野性味」といえるでしょう。 まあ酸っぱい。でもジューシーで、だんだん甘さが広がってくる。という。店売りではお目にかかれない原種の滋味を持っています。 荒川を中心に広がる、長瀞盆地は、暖かい空気が上昇して、周囲の山々に広がります。 不思議なことに、山の斜面から、下降するほど気温が下がって、もう畑には、朝霜は絨毯のようにかかります。この気候を利用して、山の斜面でみかんが栽培されているのです。 先日、ハスクでリサーチした児玉の時代を超えたような地域から、今回も登り上げます。 みかんの買い出しには、ベ

shibata racing
10月5日読了時間: 7分


阿弥陀堂がみまもる川
春はつぎつぎにおとずれる。この季節、ライダーは夢のような景色のなかをゆく。ライダーでよかったとつくずくおもう。 梅の香りで幕をあけるいつもの春も、ゴールデンウィークまでが最盛期であるようだ。 木々は花を落とし、透き通るような幼い葉をつける。その狭間におとずれる一瞬の黄色い光の束。 それが菜の花畑だ。 長野県飯山には、菜の花の楽園があるという。 千曲川、北竜湖、雪をいただいた斑尾高原。そして野沢温泉など。これほどライダーが好む条件を兼ね備える場所があろうか? 私は今日も時速100キロでタンクの上に伏せていた。 午前4時の上信越道、上田付近のローマンブリッジの上で、遠く蓼科の上空で明るく光る透明な月をみて。 澄み渡る朝の大気のなかで、鮮やかな黄色を発する花畑を想像した。その夢心地とは対称に、高速の表示板は先ほどから4度cを示している。この時ライダーの体感温度は、はるかにマイナス値をおもいしっているのだが.......。 なんだってこうも寒いんだ。動かない事がより拍車をかけ、あらゆる衣服の隙間から冷気が染みてくる。 ルート上の無数にあるトンネル内だけが

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10月2日読了時間: 4分
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